<省エネ>日本の住宅性能の低さ(特に大手ハウスメーカー)
ここでは日本の住宅について思うことを書きたいと思います。
日本の住宅性能は先進国中世界最低。
これはエコハウスを勉強されている方がよく発信されています。
自動車など技術は世界トップレベルなのに何で住宅が?と、自分も思います。
でもこれが事実なのです。
【世界との比較】
まずは現在の省エネ基準の比較です。
国として住宅性能(=燃費の良さ)への意識が低いことが分かります。
日本だけ省エネに関する基準が義務化されておらず、各HMもそれに甘えて外皮性能を重要視していないように推測しています。2枚目では各国の住宅基準が数値によって日本の住宅の性能の低さが明確化されています。もっと言うと、、、
日本の住宅は明らかに屋根天井・外壁・床・窓すべてが劣っている事が分かります。
次に、この性能の低さがどのような影響を及ぼしているか。
良く話のあがる、10万人当りのヒートショックで亡くなる方の割合です。
住宅性能トップランナーのドイツと比較して30倍近くの方が亡くなっています。
ドイツって札幌と同じ程度(年間平均9℃ほど)の寒さがあるのに。
日本では交通死亡事故の役5倍の方がヒートショックで亡くなっているそうです。
今後の超高齢化社会においては絶対数は更に増加するでしょう。
では肝心な省エネの観点ではどうでしょうか
↓は断熱性能(Q値)と冷暖房によるエネルギー消費量を表しています。
現存する多くの住宅のQ値 4.2程度からQ値 1.9にすることでエネルギー消費量は約半分になります(ZEH基準程度にするだけで光熱費が半分になる)。
Q値 1.0までいくとエネルギー消費量は およそ1/4になります。
このデータは気密性や日射取得のデータが入っていないため、高断熱化×高気密化×日射取得をしっかり検討することで、省エネ性能は加速度的に向上すると思われます(足し算ではなく掛け算)。ではどこまで求めるのが最適か?については現在検討中なのでいつか記事にして上げたいと思っています。
ここか世界の住宅での消費エネルギーを見ていきます。
あれ!?日本のエネルギー消費って低いじゃん?と思われた方・・・
そうなのです!ただしこうなっている理由は明確で、先述の通り日本の住宅は省エネ住宅ではありませんが、そこに住む日本人が省エネ意識の高い人種なのです。2つ目に貼った表にも書かれていますが、海外では24時間全館冷暖房つけっぱなしが基本です。それに対して日本人は節約意識が強いことから圧倒的に間欠運転の世帯が多く、結果エネルギー使用量が小さくなっているのです。
【言いたいこと】
日本人は冬の寒さを頑張って耐える、もしくは高性能な家電技術によって世界トップレベルの省エネを実現しています。言い換えると、
住宅性能の低さを家電などの設備で何とか補っているのです。
ただし、それによって寒い廊下やトイレ、浴室でのヒートショック・結露による耐震性、耐久性の低下・アレルギー人口の増加・花粉、PM2.5・近隣の音問題・カビ、ダニの大量発生などを受け入れてしまっています。
国はこれに関して何もしません。理由は簡単です。
省エネが出来てるから外皮性能を上げる必要がないと思っているからです。
上記を受け入れられる方は高気密高断熱住宅は必要ないと思います・・・が、
自分は高気密・高断熱化による初期費用 < 省エネ効果 が実現できる
と考えています。もちろん電気代だけの観点でトータルコストが安くできると考えていますが、効果はそれだけではありません。衣服・布団・エアコン購入費用・健康被害を防ぐことの治療費削減 など色んなところでコストや健康が守られると考えています。
自分はアレルギー体質なのでこの効果がコストだけには留まらないと感じています。
家は性能と謳う一条工務店は確かに性能は抜群なのですが、上記の考えで行くとオーバースペックではないかと感じています(外皮性能・床暖房を筆頭に)。自分はちょうどいい性能の家を建てることを目標としていますので、同じ考えを持っていらっしゃる方がいましたら、意見交換などさせていただけると嬉しいです。